不育症と里親

赤ちゃんがほしいのに妊娠できないのは不妊症だが、妊娠しても流産や死産を繰り返すのを不育症という。別に新しい言葉ではないが、こういう言い方を私は最近まで知らないでいた。

あまり話題にすべきことではないので、実態が分かりにくい。厚生労働省の調査では、妊娠した女性の38%が流産を経験しているというから、目新しいことではないようだ。ただそれに伴う喪失感の問題が最近話題になる。

不妊症の人たちに、養子縁組を希望する人が多いと先に書いたが、不育症の人たちにも里親を希望する人は多い。

とくに反対するつもりはないが、不育症の人にとっては、流産や死産の経験と委託された子どもを同一視してしまうことがあるだろう。子どもがそれを知った場合、代わりに養育してくれている、と感じるのはあまりいいことではない。