『育てられない母親たち』を読んでいる

10年ほど前だったか、市民ワクで市の福祉審議会の委員になったことがある。ある時、待機児童が議題になった。病児保育が話題になってきたころで、私は病児保育にも関心を持つべき、と意見を述べた。審議会の座長が、病児にとっては親のいることがもっとも大事なこと、と反対意見。私は会社を辞めたばかりで、仕事の都合もあるので病児についていてあげることができない場合も多い、とさらに意見。

今だったら。。日本の労働市場にこそ問題がある、と言える。子どもが病んだときにいてあげられる親であってほしい。それを可能にする企業であってほしい。

そんなことを思いだしたのは、最近の新型コロナウイルスで休学する学校が出たことから。仕事よりも子どものそばにいてあげられる子育てこそが必要だ。そのためには、企業の理解が不可欠だ。

話変わって、『育てられない母親たち』(石井光太著・祥伝社新書)を読んでいる。育てることの難しかったケースを24紹介している。もちろん母親だけがわるいのではない。里親にとって、こうした、親の側の事情を知ることができるのはとても重要なことだ。お薦め本といえる。

このところ、千葉県野田の少女の虐待死のニュースが新聞をにぎわせている。私は新聞が好きだが、千葉県在住なので、地方版でこの事件の詳細を読むことになる。そして社会面でまた読む。しまいにうちひしがれらような気持ちになる。

最近になって親族の声も聴かれるようになった。だが、構造が見えてこない。なぜ見逃すことになったのか。なぜ男はこのようなことをしたのか。どのような狂気だったのか。そう、狂気としか理解できないから。