保証人制度をなくせないか

日本学生支援機構奨学金を貸与する際、連帯保証人(父母どちらか)と保証人(4親等内の親族)を一人ずつ立てる人的保障か、奨学金から保証料を差し引く機関保障を求めている。これを機関保障だけに一本化するよう政府は検討している。保証人の負担をなくすのと同時に回収を確実にするためだ。

事情はさまざまだが、親の庇護から離れざるを得ない子どもたちにとって、措置解除の際に学校や就職、アパートを借りるときに保証人を求められるのはつらい。それも複数の保証人。社会的養護については公的な保証人制度があるが、補償額には限度がある。

そして、それよりもなによりも、信頼の財産をもたない子どもたちにはその財産のなさを突き付けられることがつらかろう。私も若いころに経験したが、信頼できそうな人はいたが、保証人をお願いすると引かれてしまう。学生時代にスーツを買う必要があったのだが、当時は1着が新入社員の1か月の給料に相当した。月賦で買うと保証人が求められる。

安易な保証人制度はなくせないものだろうか。難しいなら、いま政府が取り組んでいるこの奨学金のように、機関保障に一本化してもらえないだろうか。政府は回収を確実なものにするために機関保障を導入しようとしているが、社会的養護の世界では、巣立ちのときにつらい思いをしてほしくない、からだ。