木ノ内博道賞 4月

月間里親「木ノ内博道賞」:里親家庭に関連する優れた本などに賞を与えよう

ノーベル賞は世界的に有名。芥川賞直木賞天皇賞皐月賞。いろいろな賞がある。最近は書店員など名もない人が賞をつくることもある。賞は褒め称えるもので、それは誰がやってもいいだろう。ということで、社会的養護、とくに里親家庭に関連した賞を設置してみたい。きわめて個人的な賞で、賞品や賞金もない。まあ、極私的読書案内である。毎月、賞を発表していきたい。

2019年4月の月間賞(海外・研究書)
『犬として育てられた少年--子どもの脳とトラウマ』
虐待を受けた子どもの脳への影響について幾つかのケースが紹介されている。脳の発達段階と虐待を受けた時期によって、どのような障害を伴うか。また、ダメージを受けた脳の回復のためには、医学的なアプローチよりも普通に家庭で暮らすことの重要性が書かれている。信頼や愛着を再構築することしか回復の道はないのだ。保護される子どもの多くが虐待を受けていることから考えると、里親にとって必読の書ともいえる。そして、里親の役割についても深い洞察をもたらしてくれる。