日にち薬

瀬戸内寂聴さんの講演会で
一人の参加者が質問をした
「最近夫を亡くしてとても悲しい。悲しみを和らげる方法はありますか」
寂聴さんは壇上から降りると質問者に寄っていって抱きしめ、悲しんでもいいんです、時だけが解決します、京都には「日にち薬」という言葉があります、と話していた
「日にち薬」という薬があることを知って損をしないのは里親じゃないだろうか
もちろん乳児院の職員にも多くの別れはあるだろう
児童養護施設にだってある
しかし
仕事ではないからこその悲しさがある
子どもとの関係構築がうまくできなかった時の別れはなおさらだ
毎日、静かに、日にち薬を飲み続けている里親がいる