福岡、中洲で生まれ育った無戸籍少年の物語だ。巨大な歓楽街で、酔っ払いの大人たちはいるが(それとお店で働く人)、子どもはいないといっていい。そうしたところで暮らし、さまざまな体験をしていく。
児相も出てくるが、そんなには出てこない。ある警察官が助けようとするが、十分な力になってあげることはできない。逞しく、しかし中洲の大人たちに助けられて成長する。物語、小説ではあるがそのストーリーに引き込まれていく。悲惨な終わり方だったら嫌だな、と思っていたが、それなりに素晴らしい終わり方だった。
皆さんにもお勧めしたい1冊である。