満年齢での措置解除

満年齢で措置解除になる場合の必要事項を書いてみました。

ほんとうは18歳の誕生日の前日までで措置解除となるが、高校生の場合は卒業する3月まで措置延長となります。その後、進学や障害があって自立が難しかったり、就職できない場合は措置延長となります。20歳の誕生日の前日まで。

里親ももちろん子どもも、満年齢での措置解除について経験した人は少なく、初めてのことでしょう。早めに児童相談所と話し合って進路を決め、準備に入るべきですね。

満年齢での措置解除については就職支度金、進学支度金がでますからその確認も。進学する場合は本人の志も大事ですが、資金計画が重要でしょう。国の奨学金は社会的養護の子どもたちには選考なしででますが、締め切りなどが早いので、のんびりできません。資金計画も、里親宅から通えるのかアパートを借りることになるのかで大きく違ってきます。奨学金は返す必要のない、給付型のものを選ぶべきです。

民間の奨学金の場合、施設も含めて全国が対象だと200人から300人くらいが応募するでしょうから、簡単にはOKとなりません。金額的に低いですが、全員を対象にするものはありがたいですので、ぜひ申し込みましょう。

アルバイトも前提とするしかないですが学部や専攻によっては実習が入ったり、国家試験にチャレンジとなるとそのための受験勉強を優先する必要が出てきます。

進学する場合には、児童相談所に措置延長となるか、まず確認が必要です。基本的に措置延長になるはずです。改正児童福祉法では4年制大学に進学する際には22歳の年度末まで経済的な支援をするように定められているのですが、まだ自治体の準備ができていないようです。でも、法律に定められたことですから、それを根拠に要望していくべきです。

細かいことですが、措置延長であればこれまでの健康保険証が使えますが解除になると新しい保険証を作る必要があります。就職すればこの辺、会社が代行してくれますが、進学の場合は国民健康保険に加入することになります。児童相談所が発行する措置解除通知を市区町村の窓口にもっていって手続きします。加入者本人に収入がなく里親宅に同居する場合は納税義務者として里親が「疑似世帯主」になります。

20歳になると、国民年金保険料を納めていかなくてはなりませんが、学生の場合は「学生納付特例申請」の手続きが必要です。これをしないと延滞金が発生します。それから、申請しておけば、万一事故などによって障害を負った場合、障害基礎年金の受給資格を確保することができます。

そのほか、各種保証人の問題がありますね。アパートを借りる際に、保証人になってもらう必要がありますが、社会的養護の場合、身元保証人確保対策事業というのがあります。里親が保証人となって、損害賠償や債務弁済の義務が発生した場合にはその一部を支払ってくれる制度です。必要であれば児相に確認してみてください(知らないかな?)。昨年からは学校入学の保証人にも対象が広がりました。

奨学金については、選ぶ際に幾つか注意点があります。最初に確認するのは、助成金額や募集人員、申し込み方法や締め切り。それ以外では、別の奨学金と重複して申し込んでもいいのかどうか、返済義務の有無。返済義務のある場合は利息があるのかいつから返済なのか、就職して働いた場合返済免除があるのか、など。

それ以外に、短大から4大に変更も可能なのかなど、進学してからもいろいろな問題が出てきます。

私はこの10年ほど奨学金の事務局を担当してきましたので、一般の人よりは詳しいつもりです。疑問などがある場合はメールをください。

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