映画「朝が来る」、厚生労働省タイアップ

厚生労働省は里親制度、養子縁組制度のPRのためにこれから上映される「朝が来る」とタイアップするという。

もちろんいいことではある。が、里親を増やそうと高い目標を自治体に期待しているのに、これでお茶を濁すの?という気持ちもある。

養子縁組以外に、里親を増やすために3000万円を国は予算計上している。3年前が朝日新聞、一昨年が毎日新聞、去年が読売新聞。今年はどこかに依頼する話がまだ聞こえてこない。

子どもとマスク

個人的なことだが、マスクをつけると髭剃りあとなどが痒くなる。難聴の傾向もあるので、相手の口元が見えないと何を言っているかよくわからない。マスクによるストレス度は高いほうに属するだろう。また、そういう人は少なくないのではないか。

発達障害児に、マスクに難色を示す人が多いのだという。ある調査によると、56%の発達障害児にそうした傾向が見られた。マスクが肌に触れるのが不快ということ以外に、相手の表情が分からないので不安だという子どももいた。

里親家庭には発達障害の子どもが多い。委託されているのだから感染されては困ると、里親は子どもにマスク着用をうるさく言うことが多いのではないか。

こんな時こそ、発達障害児に多く見られる感覚過敏や意思疎通の苦手さに思いをいたしてみてはどうだろう。

ところで、マスク着用の強要について、WHOとユニセフは8月21日に指針を出している。5歳以下の子どもにはマスク着用の必要がないこと、6-11歳の子どもについては高齢者と同居している場合にはマスクを着用すること、としている。

日本は同調圧力の強い国だから、発達障害児にとっては生きづらいと思うが。

もがれた翼、今年の取り組み

子どものシェルター「カリヨン子どもセンター」では弁護士の皆さんが「もがれた翼」という演劇を毎年やっているが、今年はコロナ禍のなか、9月10日から動画を無料で配信するという。テーマは「子どもシェルター」。

見たい人はユーチューブで「もがれた翼」を検索。

エッセンシャルワーカー

コロナ禍のなか尊敬できる仕事が話題になっている。エッセンシャルワーカーと呼ばれている。子どもや高齢者の福祉に携わる人のことをいうが、こうしたエッセンシャルワーカーと言われる人に共通するのは低賃金で長時間労働。コロナで賃金カットされた、雇用主が感染対策をしてくれない、などの問題が表面化している。

今日の朝日新聞がこの問題を取り上げているが、コメントしている本田由紀東京大学教授)さんは、雇う側が「やりがい」を言うのは「やりがい搾取ではないのか」と言っている。仕事の奉仕性がやりがいを強調して、低賃金も当たり前と思わせる。

どこか、里親にも言えそうなことである。行政が過剰に里親開拓で強調するのも問題があるだろう。

以前読んだ『当事者主権』(岩波新書)という本で上野千鶴子さんが書いていたことを思い出す。

介護度5といえば一番大変な介護を迎えた人たちを指すが、生まれたばかりの赤ちゃんは介護度5に相当するのではないか、と。養護度とでも言えばいいのか、介護と違って、度数は5から1にどんどん少なくなっていく。しかし、赤ちゃんの場合、世間には介護度5の認識はない。

つるかめ つるかめ

子どもにはおまじないも効く。痛いの痛いのお空に飛んでけ、といったら、おそらのおじいちゃんが痛くなるからやめて、と子どもがいったそうな。

コロナストレスについて大人社会でもアマビエなどが話題になっているが、子どものコロナストレスにもおまじないは有効。

ということで、子ども向けセルフケアの絵本やワークブックが売れている。代表的なのは絵本『つるかめ つるかめ』。

下の文章はネットで紹介されていたのでコピペ。

 

雷がゴロゴロ鳴っている。地震がきてぐらぐら揺れている。
風がびゅうびゅう吹いてきて……。

ああ、どうしよう。
自分たちの力ではどうにもならないことが起きた時。
とっても怖いし、とっても不安。
私は臆病だから。

でもね、あなただけじゃないよ。
大人だって不安だし、昔の人だってずっと怖いと思ってきた。
あたりまえだよね。
だからこそ、こんなおまじないが伝わっているんだって。

「くわばら くわばら」
「まじゃらく まじゃらく」
「とーしー とーしー」

なんだか不思議な言葉。どんな意味があるんだろう。じゃあ、今みたいに病気になるのが怖かったり、説明できないけど嫌な事があったときには、どんなおまじないがあるの……?

表面上はわからなかったとしても、子どもたちをじわじわと苦しめるのは「不安な心」、そして「臆病で怖がりな心」。これを克服するのは難しい。だって、驚くことに大人になってもその心はなくならないのですから。この絵本の作者中脇初枝さんも、絵を描かれているあずみ虫さんもそう。そんなお二人が子どもたちの心に寄り添い、はげましてくれる絵本をつくってくれました。

心が落ち着くおまじない。

「つるかめ つるかめ」

繰り返し声に出して読んでおけば、いつか助けになってくれる日があるかもしれない。勇気をもらえるかもしれない。そんな願いをこめて読んでくださいね。巻末にはおまじないの意味や由来も収められていますよ。