『宝島』を読む

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今年1月に直木賞を受賞した『宝島』(真藤順丈著)を読んだ。次回の読書会のテキストに選んでいなければ読まなかっただろう本。分厚い。戦後の沖縄の歴史とともに生きた若者たちの物語。
沖縄は米軍基地抜きには存在しない。危険を犯して米軍基地から物資を盗み、それを惜しげもなく住民に配る。義民である。英雄でもある。そのリーダーの存在の影を追うようにして物語は進む。
米軍基地、女性や子どもたちが過酷な状況を生き、あるいは死んでいく。いつでもどこでもそうだが、過酷な状況は女性や子どもたちに押し寄せる。
辺野古の問題が連日ニュースになっている昨今だが、戦後一貫してアメリカと日本にいいように利用されて、肝心のそこに住む人たちの権利は踏みにじられ続ける。超ド級の、すごい本だった。