少年刑務所の詩集を読む

 前にも書いたが、有志で読書会をやっている。

http://fosterfamily.web.fc2.com/dokusyo.html

次回の課題図書の一つが『空が青いから白を選んだのですーー奈良少年刑務所詩集』(新潮文庫)。

 

こんな詩がある。

『誕生日』

ちいさいころは いつも手を引いてもらったのに

いつのまにか その手を拒み 避けてきた

 

「産んでくれなんて 頼んでいない」

勢い余って そう言ったとき 泣き崩れた母

 

きょうは わたしの誕生日

それは あなたが母になった誕生日

 

産んでくれなんて 頼まなかった

わたしが自分で

あなたを親に選んで 生まれてきたんだよね

 

あかあさん 産んでくれてありがとう

 

調子にのってもう一つ紹介してみたい。今の季節にぴったりだ。

 

『クリスマス・プレゼント』 

 

52人の仲間のクリスマス

ごちそうを食べて ケーキも食べて

ゲームをやって 思いっきり笑って

プレゼントだって もらえるんだ

寝ているあいだに だれかが

こっそり枕元に置いていってくれるんだよ

それが サンタさんなのか 学園の先生なのか

ぼくは よく知らないけれどね

 

でも ほんとうにほしいものは

ごめんね これじゃない ちがうんだ

 

サンタさん お願い

ふとっちょで怒りん坊の

へんちくりんなママでいいから

ぼくにちょうだい

世界のどっかに きっとそんなママが

余っているでしょう

そのママを ぼくにちょうだい

そしたら ぼく うんと大事にするよ

 

ママがいたら きっと

笑ったあとに さみしくならないですむと思うんだ

 

ぼくのほんとうのママも

きっと どこかで さびしがっているんだろうな

「しゃかい」ってやつに いじめられて たいへんで

ぼくに会いにくることも できないでいるんだろうな

 

サンタさん

ぼくは 余ったこどもなんだ

どこかにさみしいママがいたら

ぼくがプレゼントになるから 連れていってよ

 

これからはケンカもしない ウソもつかない

いい子にするからさぁ!

 

なんだか里親へのメッセージみたい。サンタに里親をお願いしているようなら、里親も応えないわけにはいかないだろう。里親になっていない方はぜひ里親登録をお願いします。