オリンピックが終わった

東京オリンピックはアスリートたちの汗と涙のうちに終わった。テレビも新聞も、それ以外の報道をきちんとしたろうか。たとえば子どもが受けている虐待など。東関東大震災でもそうだった。2年以上が経過するコロナもそう。大きなイベントや災害があると、日常で起きている問題が無視される傾向にある。

オリンピックが開催されていたこの2週間、子どもを巡る報道はどうなっていただろうか。

以前にも書いたが、若いころ、艶本研究家の斎藤夜居さんと知り合いだった。娘さんたちの年齢を考えて、生業の葬儀屋をやめて、自分の本を中心に古書店を始めた。出会ったのはその古書店で。その当時は、学生運動が下火になって、私も会社勤めを始めた頃だった。店先で齋藤さんに学生運動の話をしていると、斎藤さんは店の一角を示しながら、皆さんが学生運動をしている頃、これだけのポルノが発行されていたんだよ、と話してくれた。官憲の目が一か所にそそがれている時には、監視の甘くなったところが動き出す。

ニュースになりにくい虐待やDV。オリンピックが終わったら、日常で暮らしている困った人たちの情報をしっかり教えてもらいたいものだ。