内密出産、命か法律か

以下は新聞記事。

『妊婦が孤立した状況で出産が迫っている場合などに限り匿名で出産できる「内密出産」について、熊本市は24日、導入を表明している同市の慈恵(じけい)病院に「法令に抵触する可能性を否定することは困難」として実施を控えるよう要請した。病院によると、これまでに実施したケースはない。

同病院は親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる施設「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営。2019年12月には、望まない妊娠をした女性が匿名で出産できるよう、病院の新生児相談室長に身元を明かすのを条件に匿名での出産を認める内密出産を導入した。

同病院と協議を続けてきた市は、内密出産が子どもの戸籍や出自を知る権利について定めた法令などに抵触する恐れがあるとして、法務、厚生労働両省に見解を確認していた』

――知る権利が担保できないから内密出産は許可できない、というのも視点の置き方がどこか違っているのではないか。今は内密出産を選択せざるを得ないが、いずれ明かせるときが来るかも知れない。そういう方法を講じた内密出産ではどうなのか。

困難を抱えた人の側に立つことがまずは原則なのではないか。